下図のような、レンズの焦点距離 f やワーキングディスタンスの求め方を紹介します。
レンズの計算には、下図のような薄肉レンズモデルを用いて計算します。
計算に必要なのは、レンズの公式と倍率の計算式です。
レンズの公式 | 倍率 |
下記、表中に数値を入力し×××計算ボタンをクリックすると、それぞれの値を計算することが出来ます。
以下、物体距離 ≒ ワーキングディスタンスとして計算します。
また、下記計算中の『センサ幅 ℓ (mm)』の値はセンサの物理的な大きさを指定するのではなく、実際の撮影に使用するセンサの領域を指定します。
例)CCD素子サイズが7μmのセンサで5000画素使用する場合、センサ幅 ℓ (mm)は
7μm × 5000画素 = 35mm
とします。
ただし、ラインセンサでラインセンサの専用レンズでなく、一眼レフカメラ用のFマウント、Kマウントレンズを用いる場合は、経験的に、ここで説明している計算でレンズを選定するよりも、マクロのf=55mmぐらいのレンズを用い、ワーキングディスタンスで視野を調整した方がきれいな画像が撮影できると思います。
被写界深度を求める場合
被写界深度は下図のように求めます。
として被写界深度を求めます。
CCDカメラの場合、許容錯乱円 ≒ CCDの画素サイズと して計算します。
※本計算は薄肉レンズモデルの計算です。計算値には誤差が含まれます。
計算結果は参考程度に参照して下さい。
備考
レンズ選定の式にはここに記載してある式とは別に
という図の場合、
の関係式から、焦点距離は
として求める!
というような説明も多いかと思います。 むしろ、こちらの方が多い?!
なぜか、カメラレンズメーカーのレンズ選定の式ではこちらの式を用いる場合が多く、
ガラスレンズメーカーは最初に紹介したレンズの公式を用いて紹介している場合が多いようです。
試しに両方計算してみると分かりますが、計算結果はさほど変わりません。
おそらく、薄肉レンズモデル計算の誤差範囲???
ということから、レンズの選定の場合には計算の簡単な、こちらの式を用いるのかもしれませんが、
どうにも、焦点距離fの示している距離が気持ち悪くて、最初に説明しているレンズの公式を用いた
説明としました。
本来、焦点距離fは無限遠からの光(平行光)が入射した時に、レンズの主点から光が1点に集まる場所までの
距離を現します。
ワーキングディスタンスもレンズ本体(筐体)の先端からの距離ですが…
この辺の名称の詳細はレンズ周りの名称のページを参照願います。
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