少し前にOpenCVで漫画風処理というのが流行りましたが、黒板風の処理をやってみました。
処理結果はこんな感じ↓
【処理前画像】
【処理後画像】
この処理のソースコードはこちら↓になります。
#include "stdafx.h"
#include "opencv2/opencv.hpp"
int main()
{
// グレースケールで画像の読込
cv::Mat srcImage = cv::imread("処理前.png", 0);
// チョークの擦れ感はランダムノイズで
cv::Mat noise(srcImage.size(), srcImage.type());
cv::randn(noise, 300, 200);
// ノイズを少しぼやかす
cv::GaussianBlur(noise, noise, cv::Size(3, 3), 0.5);
// チョークの文字( = ノイズ - 元画像)
cv::Mat letter = noise - srcImage;
// モノクロデータからカラーデータへ
cv::Mat colorLetter;
cv:cvtColor(letter, colorLetter, cv::COLOR_GRAY2BGR);
// 背景色(黒板)
cv::Mat backColor(srcImage.size(), CV_8UC3, cv::Scalar(0, 40, 0));
// 黒板の画像 = 背景色 + 擦れ文字
cv::Mat blackBoard = backColor + colorLetter;
cv::imshow("黒板処理", blackBoard);
// 処理結果の保存
cv::imwrite("黒板処理.png", blackBoard);
// キー入力待ち
cv::waitKey();
return 0;
}
【処理の簡単な解説】
①画像をモノクロで読み込む(imread関数)
この画像は紙に書いた文字をスキャナで読込ました。
②チョークの擦れ具合を表現するのに、ノイズ画像(randn関数)を作成し、その画像を少しぼやかす(GaussianBlur関数)
③ノイズの画像②から元の画像①を引いて、文字の部分だけを残す
④黒板用の画像を作成
⑤ ③で作成した文字と④の黒板の画像を足し合わせて完成!
かなり簡単にやってみましたが、細かい設定をいじくると、もう少し、それっぽくなるかも?しれません。
【余談】
なぜ、黒板の処理をやってみたか?というと、会社の人たちが主にFPGAがテーマのブログ(http://fpgainfo.blog.fc2.com/)を立ち上げたのですが、その中の人が、あまり画像処理を詳しくないのにもかかわらず、フリーのレタッチソフト(GIMP)を使って、こんな↓黒板っぽい処理をやっていた。
こんなことをやられちゃうと、画像処理魂に火が着いた!
この処理は、GIMPにネオン光彩という処理があり、この処理によりチョークの擦れているっぽい処理を行っています。
このネオン光彩の処理はなんとなく、ラプラシアンフィルタっぽかったのですが、OpenCVでラプラシアン処理(Laplacian関数)を行うと、細かい文字がつぶれてしまったので、結局、ノイズを付加する事で、チョークの擦れ具合を表現してみました。
最近はOpenCVをあまり触っていなかったのですが、cvtColorの引数の設定など、昔から変わっている部分もあって、いろいろ調べまくりながら作成しました。
ブログではOpenCVの関数を明示的にするためにも、using namespace はできるだけ、使わないようにしているのですが、ちょっとクドイので、使っといた方が良かったかも?
それにしても、画像間演算は楽だわ~