カラー光切断法公開

通常の光切断法による三次元測定ではレーザーをスリット光を用い、モノクロのエリアセンサで撮影し、スリット光の形状から、被写体の三次元形状を求めますが、CCSさんから発売されている、白色LEDのスリット光を用いてカラーのエリアセンサで撮影すると、立体形状がカラーのテクスチャ付きで取得できるのではないか?という事でカラーの光切断法を開発し、国際画像機器展2013で公開しました。

 

特長は簡単に言うと

  • 高速
  • 高分解能
  • カラーのテクスチャ付き

という感じ。

 

撮影している様子はこちら↓

 

 

そしてこちらは、高速のモノクロカメラを使った、高速版。

 

 

被写体の上部からスリット光をあて、これを斜め方向からカメラで撮影するという、スリット光が白色であること以外はいたって普通の構成です。

 

この状態で撮影し処理すると、こんな結果↓が得られます。

 

画面左上が高さを表しているデプスマップ(16bitモノクロ画像)と画面左下がそのテクスチャ(RGB画像24bit)となります。

 

この2つの画像を使って、OpenGLで三次元表示したものが、右側の画像。

 

この感じの画像で、撮影幅が38mmでVGA(640×480画素)の単板のカラーカメラを使っている割には、そこそこの測定解像力があるように思っています。

 

形状を測定するのが主な目的の場合、本来ならBayerパターンのカラーカメラなんかを使わず、モノクロカメラを使った方が有利なハズなのですが、カラーで処理すると、展示会では目をひきそうだし、単純に面白いのでカラーカメラを用いました。

 

また光切断法では、光の乱反射の影響による誤検知や測定スピードがネックとなりがちなのですが、今回開発した手法では、できるだけ乱反射の影響を受けずらく(※)、測定スピードも1フレームの撮影あたり複数ライン分(2、3ライン分ぐらい)のプロファイルデータを出力する事で、測定スピードの高速化を図りました。

※現状、反射の影響を完全に取りきれる訳ではありません。

 

測定例

【溶接形状】

レーザーを使った光切断では光の乱反射による影響で、うまく撮影できない場合が多かったのですが、LEDのスリット光を使ったせいか?比較的、反射の影響を受けないようです。

(部分拡大)

 

【指の指紋】

高さ分解能が実感できると思い、指の指紋を撮影してみました。

指の指紋の高さは0.1mm程度らしいのですが、そこそこ凹凸感がわかります。

(部分拡大)

 

【指の指紋】

光切断法は一般に光沢のある物、毛羽立った物などの測定にはあまり向いていないとされているので、試しにハンドタオルを撮影してみたのですが、糸がほつれている具合も確認できました。

【その他】

 

 

”カラー光切断法”とか言っておきながらモノクロのカメラを使う事ができます。
モノクロのカメラを使うと、Bayerパターンが影響する事がないし、処理速度も速くなり、形状重視ならモノクロの方が良くなります。

 

この処理に関するお問い合わせがありましたら、私の会社のWebページ
http://www.avaldata.co.jp/products/z2_imaging/opt_3d/opt_3d.htmlの下の方
よりお願い致します。

 

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