奇関数・偶関数の積分

奇関数・偶関数でも説明したように、

関数f(x)が奇関数の場合、-a~aの範囲での積分は

 

関数f(x)が偶関数の場合、-a~aの範囲での積分は

となります。

 

一般的な式では奇関数と偶関数に分けて積分を行います。

(計算例)

となります。

こうする事で計算量を格段に減らす事ができます。

 

現実的には積分の範囲が-a~aになる事はまれで、普通はa~bのような任意範囲で積分する場合が多いかと思います。

そこで、グラフ(関数)全体をabの中心[(a+b) / 2]が原点位置に来るように平行移動を行い、積分範囲が原点に対し対称になるように調整します。

(この処理を行っても積分の結果には影響はありません。)

 

 

こうする事で、一般的な積分においても、奇関数・偶関数の特徴を用いる事が可能となります。

 

なぜ、わざわざそんな事をするかと言うと、積分の部分をfor文に置き換えて関数の合計を計算するプログラムを考えると、この奇関数・偶関数の特徴を用いると計算量が、

 

奇関数の部分で0へ

偶関数の部分で半分に

 

減らせる可能性があるので、トータルで1/4に計算量を減らせるかも?しれないので、その分、処理が高速になります。

 

その例を最小二乗法の最適化で紹介しています。

 

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奇関数、偶関数

奇関数

となる関数。

 

つまり、関数のグラフが原点に対して対象となります。

 

【例】

y = x, y = x3, y = sinθ など

 

【特徴】

-a ~ a の範囲で積分すると

となります。

 

偶関数

となる関数。

 

つまり関数のグラフがY軸に対して対象となります。

 

【例】

y = x2,  y = x4,  y = cosθ など

 

【特徴】

-a ~ a の範囲で積分すると

となります。

 

計算例

となります。

このように、関数を奇関数と偶関数に分けて積分します。

 

この偶関数・奇関数の特徴を応用すると、関数の合計値をfor文などで計算する場合に、計算量を大きく減らす事ができるので、処理の高速化が期待できます。

 

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