行列で連立方程式を解く

行列を使って連立方程式を解く方法を紹介します。

 

【計算例】

3つの方程式

 

 

を行列であらわすと

 

 

となります。この行列を逆行列を使ってX、Y、Zに関して解くと

 

 

となり連立方程式を行列で解くことができます。

 

 

…というのは普通すぎて面白くないので、3点からなる円の方程式を行列で解く方法を紹介します。

 

中心(a、b)、半径 r の円の方程式

 

(X – a)2 + (Y – b)2 = r2

 

を展開して

 

X2 + Y2 – 2aX – 2bY + a2 + b2 – r2 =  0

 

となり、A = 2a、B = 2b、C = r2 – a2 – b2 とおくと、上式は

 

AX + BY + C  =   X2 + Y2

 

となります。

 

ここで、円上の3点(X0、Y0)、(X1、Y1)、(X2、Y2を代入すると

 

AX0 + BY0 + C  =  X02 + Y02
AX1 + BY1 + C  =  X12 + Y12
AX2 + BY2 + C  =  X22 + Y22

 

の3本の式が成り立ち、これを行列で表現すると、

 

 

となり、A、B、Cに関して行列を解くと

 

 

となり、A、B、Cが求まることから、A = 2a、B = 2b、C = r2 – a2 – b2 より
中心半径を求めることができます。

 

行列を解く部分は

ガウスの消去法

のページを参照下さい。

 

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行列の基礎

正方行列

行と列の数が同じ行列

など

単位行列

行と列の位置が同じ場所の成分(対角成分)が1、それ以外が0となる行列

など。
EIであらわされる。

AE=EA=A

が成り立つ。

零行列

全ての行列の成分が  となる行列

など。
O であらわされる。

転置行列

行と列の成分を入れ替えた行列を転置行列という。
行列Aの転置行列はTを使ってATとあらわす。

の転置行列は

となる。

行列の足し算、引き算

行列の積

行列の計算

各行列A、B、Cにおいて

A + B = B + A
(A + B) + C = A + (B + C)
(AB)C = A(BC)
A(B + C) = AB + AC
(AB)-1 = B-1A-1
(AB)T = BTAT
(AT)T = A
(ATB)T = BTA

が成り立ちます。

ただし、単位行列以外の計算では、行列の掛ける順番を入れ替えると、答えは異なります。

AB≠BA

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【Word/Excel】4×4以上の行列の入力方法

Word2007、Excel2007以降では数式エディタも数式ツールとして少し使いやすくなりましたが、行列を入力するとき、標準的には3×3までの行列しか表示されていません。

 

4×4以上の行列を入力する場合は以下のようにします。

 

まず、 数式ツール→かっこ より行列のかっこを表示します。

 

 

次に 数式ツール→行列 でとりあえず3×3の行列を表示します。

 

 

次に行列のどれか1の四角(□)を選択し、マウスの右ボタンをクリックします。

 

 

すると、挿入というメニューがあるので、挿入を選択し、次に表示される

 

前に行を挿入
後に行を挿入
前に列を挿入
後に列を挿入

 

のいづれかを選択し、行、もしくは列を挿入します。
次の例を列を挿入した様子

 

 

同様にして行を挿入すると、

 

 

となり、4×4以上、いくらでも?追加する事が可能です。

 

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