n次曲線による最小二乗法につていは説明しましたが、円や楕円、その他の一般式についても最小二乗法による近似は可能です。
今回は円の最小二乗法を例にとって説明しますが、他の一般式についても要領は同じです。
まず初めに近似する一般式を作成します。
円の場合、円の中心座標(a,b)、円の半径 r とすると
(X – a)2 + (Y – b)2 = r2 ・・・①
となります。
n次曲線による最小二乗法ではX座標がXiの時のY座標Yiと近似曲線上のY座標f(Xi)との差の二乗が最小になるように計算していましたが、円の場合、X座標がXiの時にY座標が存在しなかったり、Y座標が2点存在してしまう場合もあります。
そこで、今回はY座標の差の2乗の総和を求めるのではなく、①式を=0の式に変形し、
点の座標(Xi,Yi)を代入し、その式の2乗の総和を求めます。
(n次式近似でやった計算も結局は近似式=0になるように変形していた訳ですが...)
①式を=0になるように変形し、2乗の総和は
∑{(Xi – a)2 + (Yi – b)2 – r2}2 = 0 ・・・②
となります。
ただし、このまま未知数a,b,rに関して②式を偏微分してもa,b,rは4次関数となるので、各未知数の偏微分=0の時が最小とは限りません。
そこで、②式を展開し、下の式のように置きます。
∑{Xi2 + Yi2 + AXi + BYi + C}2 = 0 ・・・③
ただし
A = -2a ・・・④
B = -2b ・・・⑤
C = a2 + b2 – r2 ・・・⑥
③式に関してA,B,Cについて偏微分すると
∂/∂A = A∑Xi2 + B∑XiYi + C∑Xi + ∑Xi3 + ∑XiYi2 = 0 ・・・⑦
∂/∂B = A∑XiYi + B∑Yi2 + C∑Yi + ∑Xi2Yi + ∑Yi3 = 0 ・・・⑧
∂/∂C = A∑Xi + B∑Yi + C∑1 + ∑Xi2 + ∑Yi2 = 0 ・・・⑨
⑦、⑧、⑨式を行列を用いて解くと
となり、逆行列を求めるとA,B,Cが求まります。
さらに④、⑤、⑥式より円の中心座標(a,b)、円の半径 rが求まります。
\(a=-\frac{A}{2}\)
\(b=-\frac{B}{2}\)
\(r=\sqrt{a^{2}+b^{2}-C}\)
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