2012.5現在、OpenCVの最新バージョンはVer2.4です。
こちらのインストール方法についてはOpenCV2.4の入手、ダウンロード、インストール、環境設定を参照願います。
OpenCV2.3は、一時、製品候補版のOpenCV2.3.0rcとして公開されましたが、現在ではrcの取れたOpenCV2.3.0となりました。
主な変更点
2.2から2.3への変更点はOpenCVのこのページで確認できます。
2.3rcおよび2.3の部分をご確認ください。
http://opencv.willowgarage.com/wiki/OpenCV%20Change%20Logs
OpenCV2.3の入手、ダウンロード先
OpenCVの入手は下記ページよりダウンロードして下さい。
(Windows版)
http://sourceforge.net/projects/opencvlibrary/files/opencv-win/2.3/
(Unix版)
http://sourceforge.net/projects/opencvlibrary/files/opencv-unix/2.3/
上図はWindows版の物ですが、内容は以下の通り。
- OpenCV-2.3.0-win-superpack.exe
コンパイルされたOpenCVのライブラリファイル(*.dll、*.lib、*.h)が32bit、64bit、
Visual Studio 2008用、2010用など各環境に合わせたファイルが用意されています。
このファイルは従来のようにOpenCVのインストーラではなく、ただの自己解凍ファイルで
あるため、自分でPATHの設定などを行う必要があります。
- OpenCV-2.3.0rc-gpu-support-win32-vs2008.zip
Windows 32bit版、Visual Studio 2008、GPU対応のコンパイル済みライブラリ?
(未評価です。)
- OpenCV-2.3.0rc-win-src.zip
Cmakeというソフトを使って、自分でOpenCVをコンパイルするにはこのファイルを用います。
CUDA4.0やOpenNI、IPPへの対応など、きめの細かい設定が可能となります。
必要に合わせて上記の中からファイルをダウンロードして下さい。
OpenCVを使うのが初めての方はコンパイル済みのファイル(*.exe)の使用をオススメします。
以下、次の順序でOpenCVのインストール方法を説明したいと思います。
コンパイル済みOpenCVを使う方法
自分でOpenCVをコンパイルする方法
OpenCVの環境変数の設定方法
コンパイル済みファイル(OpenCV-2.3.0-win-superpack.exe)を用いたインストール方法
ダウンロードしたファイル(OpenCV-2.3.0-win-superpack.exe)をダブルクリックします。
このファイルはただの自己解凍ファイルなので、好きなフォルダへコピーして下さい。
ファイルを解凍すると、下記のような構成になっています。
\OpenCV2.3
┣ build
┃ ┣ bin
┃ ┣ include
┃ ┃ ┣ opencv
┃ ┃ ┣ opencv2
┃ ┃ ┃ ┣ calib3d
┃ ┃ ┃ ┣ contrib
┃ ┃ ┃ ┣ core
┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┗ opencv.hpp
┃ ┃ ┗ CMakeLists.txt
┃ ┣ Python
┃ ┣ x64
┃ ┃ ┣ mingw
┃ ┃ ┣ vc9
┃ ┃ ┃ ┣ bin
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┣ lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┗ staticlib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.lib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.lib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┗ vc10
┃ ┃ ┃ ┣ bin
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┣ lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┗ staticlib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.lib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.lib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.lib
┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┗ x86
┃ ┃ ┣ mingw
┃ ┃ ┣ vc9
┃ ┃ ┃ ┣ bin
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┣ lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┗ staticlib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.lib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.lib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.lib
┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┗ vc10
┃ ┃ ┃ ┣ bin
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.dll
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┣ lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.lib
┃ ┃ ┃ ┃ ┣ :
┃ ┃ ┃ ┗ staticlib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230.lib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_calib3d230d.lib
┃ ┃ ┃ ┣ opencv_contrib230.lib
┃ ┃ ┃ ┣ :
┣ opencv
┃ ┣ 3rdparty
┃ ┣ android
┃ ┣ data
┃ ┣ :
┗ readme.txt
主に関係しそうなファイルは赤く表示しておきました。
より詳細な情報はreadme.txtファイルを参照下さい。
解凍したファイルは、このままの構成で使うも良し、従来のようにc:\OpenCV2.3というようなフォルダを作って、その中へコピーするも良し、この辺は好みですが、自分でPATHの設定(*.dllファイルのあるフォルダの設定)を行って下さい。
ちょっと興味を引かれたのはstaticlicが用意されている事でしょうか?
CMakeを使ったOpenCV2.3のビルド方法
◆事前準備
今回のバージョンはCUDA4.0やOpenNIに対応している事もあり、OpenCVからこれらを使いたい場合は先にインストールしておいて下さい。(必要ない場合はインストールしなくても構いません)
これらのインストールについては、下記ページを参照下さい。
CUDA4.0
CUDA4.0の入手、インストール方法
OpenNI
Kinect1 -OpenNI導入-
(UnaNancyOwenさんのブログ)
※私はWindows7の64bit版を使っていますが、64bit版のOpenNIのインストールに失敗したため、32bit版を用いました。
◆CMakeのダウンロード、インストール
CMakeというソフトを使って、OpenCVのソースコードからVisual Studio用のソリューションファイル(*.sln)を作成します。
CMakeは下記ページよりダウンロードします。
http://www.cmake.org/cmake/resources/software.html
2011.6.28現在、CMakeの最新版は2.8.4になります。
上記リンクより、Windows (Win32 Installer)(cmake-2.8.4-win32-x86.exe)をダウンロードします。64bitOSでも、上記のファイルで大丈夫です。
CMakeのインストールは、表示されたウィンドウのデフォルト設定で、次へ次へで大丈夫です。
◆OpenCVをソースコードからビルドする方法
最初に紹介したOpenCVの入手先よりOpenCV-2.3.0rc-win-src.zipをダウンロードし、ファイルを解凍します。
ファイルを解凍すると、\OpenCV-2.3.0rc-win-src\OpenCV-2.3.0\・・・ というようなフォルダ構成となっていますが、旧バージョンやコンパイル済みの構成と合わせるため、今回は
c:\OpenCV2.3
というフォルダを作成し、解凍したファイルの\OpenCV-2.3.0内のファイルを上記フォルダへ移動します。
c:\OpenCV2.3
┣3rdparty
┣android
┣data
・・・
というようにします。
次に、先ほどインストールしたCMakeを起動し、
Where is the source code: に c:\OpenCV2.3
Where to buid the binaries: に c:\OpenCV2.3
を指定します。
次に左下の Configure ボタンをクリックします。
すると、ソリューションファイルを作成するVisual Studioのバージョン選択ウィンドウが表示されるので、使用しているVisual Studioをバージョンを指定して下さい。(おそらくVisual Studio2008以降推奨?)
しばらくすると、このように表示されます。
ここで、CUDAやOpenCVなどを使うかどうかを設定します。他にもIPPやTBBの設定ができます。
CUDAを使う場合は WITH_CUDA にチェック☑
(CUDAを使わない場合、CUDAに対応していない場合はチェックを外して下さい。)
OpenNIを使う場合は WITH_OPENNI にチェック☑
使用するオプションを選択したら、再度、Configureボタンをクリックします。
すると、部分的に赤く表示される場合があります。
これは、パスなどの設定が間違っているためで、その部分の設定を行います。
OpenNI(32bit版)をデフォルト設定でWindows7 64bitにインストールした場合は以下のように設定します。
OPENNI_INCLUDE_DIR |
C:\Program Files(x86)\OpenNI\Include |
OPENNI_LIB_DIR |
C:\Program Files(x86)\OpenNI\Lib |
OPENNI_PRIME_SENSOR_MODULE_BIN_DIR |
C:\Program Files(x86)\PrimeSense\SensorKinect\Bin |
ここで、Configureボタンをクリックします。
ここで、赤い部分が表示されていなければ、CMakeの設定は合っています。
赤い表示がある場合は、再度、設定を行って下さい。
さらに、Configureボタンをクリックします。
すると、Generateボタンを有効になるので、Generateボタンをクリックします。
これでようやくWhere to buid the binaries:で指定したフォルダ(c:\OpenCV2.3)にOpenCVのソリューションファイル
OpenCV.sln
が作成されます。
次に上記のソリューションファイル(OpenCV.sln)をダブルクリックし、Visual Studioを起動します。
起動後、Visual Studioのメニューのビルド→構成マネージャでINSTALLの部分にチェックを入れて下さい。(Debug/Releaseとも)
設定を行ったら、閉じるボタンでウィンドウを閉じ、メニューのビルド→ソリューションのビルドでOpenCVのビルドを行います。
OpenCVのビルドには時間がかかりますが、Debug/Releaseともにビルドを行って下さい。
これでようやくOpenCVで必要なdll、lib、hファイルが C:\OpenCV2.3\install 内に作成されています。
そして、好みにもよりもますが、互換性も考慮して以下のように移動します。
C:\OpenCV2.3\install\bin内のファイルをC:\OpenCV2.3\bin内へ
C:\OpenCV2.3\install\include\opencv2内のファイルをC:\OpenCV2.3\include\opencv2内へ
C:\OpenCV2.3\install\lib内のファイルをC:\OpenCV2.3\lib内へ
移動します。
次にOpenCVのdllファイルを使えるように環境変数のPATHというのを設定します。
OpenCVの環境変数の設定
次にOpenCVのプログラムからライブラリ(*.dllファイル)を参照できるように環境変数の設定(Pathの登録)を行います。
Windowsのスタートボタンをクリック → コンピュータを 右クリック → プ ロパティをクリックします。
開いたウィンドウの システムの詳細設定 をク リックします。
次に詳細設定タブの環境変数のボ タンをクリックします。
次にシステム環境変数のPathを選択し、編集をクリックします。
変数値のテキストボックスの最後の部分に、OpenCVのdllファイルのあるフォルダを指定します。
;c:\OpenCV2.3\bin
※もともとあった文字は消さないようにご注意ください。
最初の ; (セミコロン)を付けるのもお忘れなく。
PATHの設定後、念のためPCを再起動して下さい。
以上で、OpenCVのインストールは完了です。
別途、簡単なサンプルサンプルプログラムを
https://imagingsolution.net/program/opencv/opencv2-3/c-sample-program/
のページにまとめました。
ただし、OpenCVを配置したフォルダが異なる場合は、適宜、フォルダ設定を変更して下さい。
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